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祖父の話

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祖父の話

祖父の話

2025/02/02

これは2004年の話でピロクテテス新潟に入会して2年目くらいだったかな。

 

父親とじいちゃんと俺と3人で出かけたことが一度だけある。

父親の具合が悪くなり、俺が実家に戻って家の仕事の手伝いしてるとき、自営でやっていた建築会社の資金が回らなくなり、3人で銀行とかにお金を融資してもらおうとしてもらったときだけ。

もうこのときにはかなりの借金があって、全ての土地や建物に抵当がついて、じいちゃんは80歳、父親はうつ病でこんなところにお金を貸してくれるところなどなく、行くとこ行くとこに断られ、それでもじいちゃんは食い下がらず、連帯保証人をたてれば、なんとか貸してくれるという条件をもらった。

それからもいろいろあって…

なんで俺がこんなことしなきゃならないんだとか…

父親も重度のうつ病だったし、俺が最後に全ての責任とらなきゃとか、勝手に1人で怒りと絶望感の中にいた。

精神的にもかなりまいっていて、3人で車に乗ってるとき、本気で死のうと思っておもいっきりハンドルきったことがある。

あのときはホント辛くて、車で毎日1時間かけてピロクテテス新潟で格闘技やってるときは全てを忘れることができる唯一の安らぎの時間だった。

そんな家が嫌で、結局1年後俺は逃げるように家を出て好きなことを続けた。

 

 

じいちゃんは昔から仕事のことしか頭にない人で、どんなに天気が悪い日でも毎日、作業場に来ていた。

でも、いつもお金のことで母親とケンカしてた。

父親はじいちゃんに対してはなにも言わないから、母親が代わりにいつも言っていたけど、じいちゃんは絶対に引かない。


仕事がないのに、いい材料をたくさん仕入れて、いつか大きな仕事のためにずっと保管して、自分たちで全て製材してやるという、昔のやり方は今ではうまくいかなかく、どんどん借金と材料が増えるばかり。

そのことを母親が泣いて反抗しても、絶対に自分の考えを曲げなかった。

そんなじいちゃんも俺にだけは、特別扱いしてたと、家族、親戚は言う。
孫は全員で7人いるけど、特に女性はまったく興味がなかったらしく、いとこが良く私なんて名前すら覚えてもらってないって言ってた。

でも、俺のじいちゃんの思い出と言ったら、いつも怒っているイメージしかない。父親を怒鳴りつけてるか、母親とケンカしてるか…

そんなじいちゃんに小さい頃から、家を継げって言われ続けて、ホントにイヤだった。
大学に北海道を選んだのは、とにかく遠くに離れたかったから。


でもじいちゃんは口だけではなく、必ず実行していた。歳をとっても自分で全てやっていた。小さい頃から言われたことがあって、石に噛り付いてでも頑張れと。

そんなじいちゃんの口ぐせは「俺は煮た豆じゃない必ず芽が出る」俺は聞いたことないけど母親が言っていた。

そんな俺が家を継がず好きなことやっていて、格闘技でプロになり、実家に帰ってきて、作業場にジムにしたいと言ったとき、何よりも仕事が好きだったじいちゃんは絶対反対すると思ったら、なにも反対せずにやれと言ってくれた。
じいちゃんは俺が格闘技やっていたことは知らなくて、全日本アマ修斗で優勝したときも家族は言わなかったらしい。

それでも容認してくれて、さらに俺がこうして欲しいと言えば、やってくれた。このときの祖父の年齢は84歳。亡くなる4年前。

母親が言ってたけど、男に生まれた以上、人に使われるんじゃなくて、自分で起業したのが、じいちゃんはそういう考えだったから嬉しかったんじゃないのって。

そんな母親はじいちゃんといつも仕事のことで対立していて嫌いだったと思ったけど、じいちゃんが亡くなったときは、泣き崩れていて、血が繋がってなくても家族なんだなと思った。

俺もじいちゃんはあまり好きではなかったけど、でもやっていたことはホントにスゴく苦労も多かったけど、絶対弱音をはかなかった、じいちゃんには言わなかったけど尊敬はしていた。

でも、俺も素直になれずいつも反抗していた。一回だけ、じいちゃんのおかげでこんなにいいジムができたよって言ったとき、じいちゃんが涙ぐんだのは衝撃だった。

作業場に使ってないボロボロの和室があったんだけど、そこをリフォームしてじいちゃんに使ってもらおうと1人で頑張っていたけど、完成したのをじいちゃんに見せれなかったのは残念だった。

2011年3月祖父が亡くなるちょうど2年前の写真。祖父はいつもずっとここにいた。

この祖父がいつもいた場所はDIYで直して今は自分が事務所として使ってます。


 

 

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